お勧めしないいじめ対策の方法
まず大前提として、基本的に学校はいじめられている児童生徒の味方であることが多いです。
学校の不祥事をセンセーショナルに報道するメディア等の報道の仕方にも問題はありますが、大半の学校や教師は毎日忙しく働きながらも児童生徒のことを考えて日々の業務にあたってくれています。
ただし、一部の学校では、いじめ対策等がほとんど機能していなかったり、いじめの事実を隠蔽しようとしたり、言動などに問題のある教師がいたりすることも事実です。
だからといって最初から学校や教師を敵視することはお勧めできません。
教師の側からしても、保護者の方から無礼な扱いを受ければ腹も立ちますし、相手のために一生懸命動こうといった考えが無くなることもまた当然だといえます。
葛葉行政書士事務所では、いじめ被害の対策としてお勧めしない対策がありますのでご紹介します。
葛葉行政書士事務所がおススメしない対策とその理由
@保護者の方が、学校に対して怒りをぶつけるような攻撃的な態度・口調で話をして解決を図ろうとする。
保護者の方の気持ちも大変分かるのですが、学校からモンスターペアレント扱いをされるリスクがあります。また、学校によっては保護者の方の怒りを収めて黙らせることを優先することが多く、いじめの根本的な解決が遠ざかる可能性があります。
特殊なケースだとは思いますが、令和7年5月初旬に東京都立川市の小学校に、いじめ被害に遭っているとされる児童の母に頼まれたとして2人の男が解決を求めて小学校に侵入し、教師を殴り逮捕されるという事件が発生しています。
この事件はいじめの事実が本当であったとしても、いじめ被害への対策としては絶対に間違っていると思います。
民度も最悪ですし、このようないわゆるモンスターペアレントの依頼であれば、弊所は即お断りする方針でおります。
とはいえ、この母親の子供が学校で居場所が無くなったり学校に行きづらくなったりするのではないかと思うと気の毒に思います。
また、「こんな親に育てられたからいじめられても仕方がない」という意見が数多くネットに書き込まれていることも、非常に恐ろしく思います。
わが子がいじめられていると知ったら親は腹が立つのは当たり前です。しかし、いじめられていることは「子どもの悩みや問題」であり、それに寄り添うのではなく、親が「自分の悩みや問題」にすり替えて怒りに任せて攻撃的になることは、親が子どもの居場所を奪うことにつながるかもしれないということを改めて考えさせられる事件だと思います。
何より、この事件の影響により、いじめ被害に遭っている児童生徒がいじめ被害を保護者や教師に相談しにくくなることだけはあってはならないと思います。
A保護者の方が、加害児童生徒やその保護者に対して攻撃的な態度・口調で話をして解決を図ろうとする。
こちらも@と同様に大変気持ちはわかるのですが、内容によっては脅迫と受け取られてしまうことや、保護者間のつながりの中で「あの家の親はおかしい」のような噂が広まることがあります。そして、そこからより陰湿ないじめへと発展するケースがあります。
B保護者の方がSNSなどに加害児童生徒やその保護者の実名などの個人情報を公表するかたちで解決を図ろうとする。
いじめ自体は解決する可能性はあります。しかし、個人情報をSNSに書き込んでしまうことにより、加害児童生徒やその保護者からの訴訟リスクが発生します。
また、被害児童生徒と保護者の方との信頼関係が崩れることがあります。
被害児童生徒や保護者の方の状況にもよるので絶対ではありませんが、弊所では以上の@からBの行動はあまりおすすめしておりません。
いじめの内容や現在のお子様の状態、そして保護者の方の意向にもよりますが、犯罪行為のような重大事態に該当するようないじめを受けているようなケースであれば弁護士に、あまりおおごとにはしたくないけれど、いじめ被害から抜け出したいようなケースであれば行政書士にといったように、状況に応じて学校の外部の機関の力を使っていじめの解決を図って行くのが、今後スマートな解決法になっていくのではないかと葛葉行政書士事務所では考えています。
ただし、あくまでこちらは葛葉行政書士事務所での考え方です。
いじめ問題については、これが絶対に正しいという対処法は無いと思います。
当然、葛葉行政書士事務所の考え方ややり方がすべて正しく、それ以外が間違っているということは一切ありません。
「この事務所はこういう考え方なのか」といったように参考にしていただければと思います。